2006年10月31日
大失敗、私が何時も皆に言っていた事なのに・・・
先日の日曜日は、私にとって重大な日だった。組合の保険請求ソフトの更新版を、受け取りに行かなくてはならない。
50歳過ぎからのパソコンは、考えていたよりも、かなりきつい。ストレスで最近は、音に過敏になり耳栓と安定剤が常に必要だ。いつも聞いていた長男が遠くの大学で、心細いのもある。パソコンは体調の敵だ。
操作が解らず、いつも彼方此方に、迷惑を掛けている。今回は、念のためプリンターも持って行かなくては、駐車場はないし、治療室のプリンターは、大きい複合型で16キロもある。どうしよう。しかし何とかしなくては。
午前中は子供の学習発表会もある。・・・組合は午後だから十分間に合う。・・・何日も前から考えていたことだ。家内に手伝ってもらって・・・大丈夫、何とかなる。
しかし車に、パソコンとプリンターを積み込んでいると、プリンターの下半分が無い。自分の手をかざして“手が無い。”白く光って、スッポリ景色が消えている。
そう言えば、土曜も仕事中に、患者の手が白く光って、見えない事があった。発熱もある。その時は時間も短く、眩しいからだろうと、思っていたが、今は違う。少し休もう。
室内に行くと、虹色の光るモザイク模様だ。綺麗と言えば綺麗だが、そうも言っては居られない。30分以上続く。症状の強い、閃輝暗点だ。閃輝暗点は通常はフラッシュの様に一瞬から、長いものでも2~3分で終わる。しかし・・・それに私は、側頭動脈炎(側頭動脈炎の人は閃輝暗点が出やすい。リラクス時に起こりやすい頭痛で、冷やすと良くなる。)の持病は無い。今の状態は逆だ。
閃輝暗点の原因としては眼底や頭の血管だ。(中大脳動脈と後大脳動脈の中間辺りで起こることが多い。)ストレスが原因のスパズムだろうか・・・?
だが脳の場合は、心臓と違って“血管のスパズム”から来ることは殆んど無い。塞栓?・・・・いやな言葉がよぎる・・・まずい。急がなくては、家内を呼んで、あちこちに、刺絡をする。
「モザイク模様なんて見えるとは、何をいやらしい事を、考えていたんけ?・・・ははは・・・」
「こんな時に何を言うかバカ。」
でも、こんな時に、ワザと?こんな事言える妻に、どれほど何時も救われているか知れない。実際少し気が緩んできた。
「アハハ・・・いい加減にしろよ・・」
「しかしお前の針は痛い。ちょっと自分の脚にでも針をして練習しろよ。」
「バカけ、そんな怖いこと出来る訳無いちゃ。」
「子供で練習しょうか?はは・・・」
「子供が近付かん様になるぞ。」
「それにしても痛い。あんたは、針師にならなくて良かった。」
「そんな仕事にしたら、昼寝が出来ん。」
「たしかに、寝るもんな~。」
お陰で?症状は消えた。・・・だが脳外へ(何かあったとしても、まだ他覚的所見は出ないだろう。・・・それに閃輝暗点のみでは、TIA『一過性虚血症状』とは言えない。)念のため、ワーファリンの点滴を受け、帰宅。結局、日曜の計画は全て消滅。家族にも迷惑を掛けた。
自分の事が一番判っていなかった。私が、みんなに言ってきた最近の合言葉『頑張らない。無理をしない。』は、どこへやら・・
今誰かの声が聞こえたような気がした。
(大橋は今日は、来てないのか?あんなに言っていたのに。)
保険部長・・・今日は無理です。
パソコンを減らし、仕事の体勢も変えなくては・・・子供はまだ小さい。・・・生命保険なんて、入っていたかかな?・・・
「お~い母さん生命保険入っていたっけ?」
「さあ~・・・?」