当院には、○○ちゃんの4番と言う、伝説の合言葉がある。かって、○○ちゃんが、高校生だった頃、車に撥ねられた。
普段から骨のズレは、レントゲンには出ないよ!! と言ってあったのだが・・・
「先生、腰から足がすごく痛くて、だんだん痛くなって来て、・・・寝れません。」
「草取りとか、山登りでもしたの?」
「してません。」
草取りで、坐骨神経痛を起こす人は、多い。
「何か、心当たりは無いの?」
「自転車で、この前、車にハネられて・・・でも整形のレントゲンで、何とも無いと・・言われました。」
「○○君、普段から骨のズレは、レントゲンには、出無いと、言ってるでしょう。」
レントゲンには、骨折や脱臼位しか、出無いのだ。
「でも医者も、なんとも無いと言ったし、実際なんとも無かったんです。」
「でも痛くなったでしょう?」
骨がズレただけでは、あまり痛くない。ズレた骨で、神経を傷つけるから痛む。だから何日か、経ってから症状は出る。
「凄く痛いです。・・治りますか?」
「まだ診てないよ。それに、何日経ったの?」
ズレた骨で、神経を、傷付け続けるから、だんだん症状はひどくなる。数ヶ月ほっとけば、患部と脳に、新しい神経回路が出来て(反射性神経炎)、麻酔も効か無くなる事が多い。
「4日目です。」
「ちょうど、痛む頃だね、整形で、なんとも無いと言われても、すぐ来れば良かったのに・・」
「でもなんとも無いと・・・」
まだ言ってる。・・・
「では、何で来たの?整形で、理由は聞いたの?」
「どこも悪くないと・・・」
「どうしたいの?」
「治りたい。」
「僕の言ってることは、判る?・・治療はするの?」
「はい」
納得できた・・かな?
「では、下を向いて・・・おっ、4番の骨が、ずれてるよ!! それと5番に、すべり症と・・・」
「そんなに悪いですか?」
「未だ、治療はしてないでしょう?」
だが実際に、随分ひどく、大変治りにくかった。
「○○君、4番周辺はねえ・・・膀胱とかへ、神経を出してるから、ひどくなると、勝手におしっこが出たり、正常に働かなくなったりするんだ。大事なところだ。結婚できないかも知れんぞ!!」
チョッとからかう・・・
「な、何とかしてください、お願いします。」
「君のは、治り難くて、なかなか大変だね~。」
確かに大変だった。
「先生。」
「何ですか?」
突然・・・
「3番と5番は、取っても良いですから・・・何とか4番を治してください。お願いします。」
「あの~、気持ちは分るけど・・・3番と5番の間には、何があるのかな?」
「4番ですけど・・」
「3番と5番を取ったらどうなるかな?」
「???・・」
真面目に言っている。
「4番も、無く成るんじゃ・・ないかな?」
「何で、ですか?」
本気で、聞いてるのかな・・・?
「骨が空中に、浮いてると思う? みんな繋がっているんだよ。」
「ハイ。でも3番と5番は、取っても良いですから、治してください」
やっぱり真面目だ。・・・けど、可笑しい。
「あんたは、いつも凄く真面目に、変だね。」
「何で、ですか?」
やっぱり何か、可笑しくて、素直で、憎めないキャラクターなのだ。・・・がんばれ!!
そのうち後編も出ます。・・・?