2~6番の首の骨の両横には穴が上から下まで通っている。その中を動脈が通る・・・
つまり骨で守らなければならない程大切な血管なのだ・・・しかし事故で骨が歪んだり、ストレス、肩こりで首が引きつれば当然血管を圧迫する。
頭に血液が往かなければ・・当然ふらついて歩けなくなる。時には失神したり耳鳴り、頭痛、呼吸が出来なくなったり多彩な症状が出る・・・とくに大人になってからは強く出る。
何割かは予後「生存の可能性」が悪い・・脳梗塞の原因にもなりうる。
「先生昨日子供とバーべキュウをしていて突然意識が無くなり気付くと病院でした。」
頭は20針ほど・・・ホッチキスで止まっていた。
「フランケンシュタインだ・・・と女房が・・・」
確かに・・・
「・・・痛みますか」
「首から腕が痛くて寝返りは無理です・・力が・・・・」
「寝れましたか?」
「とてもそれどころでは・・・・痛くて薬も麻酔も利きません。」
「当分はそうでしょう・・・」
「でもすぐ骨を真っ直ぐにしなければと思い来ました。前回で懲りましたから・・・」
前回放っておいて4日後に突然大変な症状が出たからだ。
「まず患部を見てから遠隔操作で首を緩め・・・・痛いのを堪えて数箇所矯正」
「う、・・・う、う」
最初に幹部をいじると腫れたり大変なことになる
幹部の細絡から刺絡・・・怪我で破壊された細胞等は放っておけば正常細胞を破壊しもっと傷が広がり治癒を遅くする
「どうですか?」
「痛いですがやや動きます・・・痛みも少し・・・う、う・・・」
「未だ無理です。ジットして・・・10日以上絶対安静ですよ・・・寝ていて下さい。」
「それが・・・仕事はしなくても監督に行かんと・・・・」
「・・・・・無理に動けば後が大変ですよ。」
「しかし・・」
言ってもどうせ聞かないだろう・・・
「ポリネックは絶対外さないように。」
「はい。」
長引くだろう・・後が大変だ・・・
「先生痛くて眠れん動けんし!!」
「だから言ったでしょう。」
毎日通院しているが無理をするので果々しくない・・・・
「少し休めませんか?」
「死んでも無理です。」
命と引き換えかな・・・・
「Iさんこの様に失神を伴う頚椎症では何割かは2~3年で亡くなることも有ります。」
「・・・・・」
「MさんやYさんNさんの奥さんを覚えていますか無用な手術で最後は・・・・」
「・・・・分かっています・・が・・・」
怪我から2週間ようやく少し動けるようになって来ただが・・まだまだ
「1ヶ月を考えていましたから経過は良いほうですが油断の無い様に・・・」
「ハイ」
しかしお得意さんとのトラブルで首が引きつり・・・またまた・・
「治りがけはもっと注意をしなくては4~5日戻りましたね。」
「ハイまた寝れません。」
大好きな酒ももう半年絶っているしかし・・・トラブルが多すぎる強力な安定剤、睡眠財を大量に服用するも?????
「薬を増やした分よりストレスを増やしては・・・・」
「分かっています」
他にもこの様な患者が昨今は特に多い・・・私も人のことは言えないが。
不況のせいばかりでは無いだろう。
本人が前を向くか後ろを向くか、ささやかな事が大切の様な・・・