近頃私は随分疲労感を覚えていた。
それは毎日ハウスメーカーの人が毎日、昼となく夜となくやって来て大切な“お昼ね”の時間が無くなっていたのだ。
おまけに仕事の入力も進んでいない・・・助手はどうしたかな・・・?
現在の家族に借りている治療院の代替地も昨今の時勢のため・・・新治療院を建てても成功しにくいと思い放置してあったのだが・・・
あまりの税金の高さもありアパート建設構想なるものが沸いて出たのだ。
各ハウスメーカーが連日のごとくそれぞれの思惑をもって・・嘘や真実を交え長時間にわたっての話で動こうとしない
いい加減辟易していたところへ・・色々な条件が提示され・・・
私の家は代々建築を生業としていたため私も当然品物を見れば価格や品質はある程度判るつもりでいた。
しかし敵も去るもの様々な数字のトリックを用い・・業界から遠く離れていた私には洋としてつかめない。
そこへD社からの値引きの提案・・・思ったよりも多く・・すぐ乗った・・・・が・
いざ調印という時に記された“坪数が可也足りない”・・・・もともと小さな物件ではあるが・・・
「これは如何したのですか?2LDKと3LDKが2つのはずでしたが・・・・」
「いえ金額のかからない方法で利益率のよい方法をご提示しました。」
「そうじゃないでしょう・・・坪数が足りないと言っているのですが・・」
「その分グレードを上げて高い家賃を取れるようにしています。」
「最初の物件も最高の品と聞きましたが」
「・・・・いや・・それ・よ・りももっと・・」
「どんなにグレードが高くても2Lと3Lで同じ家賃が取れるとは思えませんそして最初の物件は良いものと聞いていました」
「・・・・」
「これは値引きではなく単なる縮小でしょう・・・そちらがこの価格でよいといったのですよ。」
「・・・・・」
「今後も信用ができませんこの話は・・・」
「大変心象を悪くいたしまして・・すみません。M君謝りなさい。」
「すみません私の説明不足でした・・元に戻しますので・・何とか話はこのままお願いします。」
無事契約は終わった?・・・・・しかし今度はグレードを落とされていた。今となっては私が何を注文したのか・・もう分からない釈然としないまま・・騙された気持ちで一杯・・気分は落ち込んでゆくのだ・・・
今度はどこを誤魔化されるか数字のトリックの前に我々素人は心配でたまらない。
明日から遠くの大学に行っている息子の様子をはじめて見に行くつもりだが・・・このままでは何か落ち着かない。