蝶々園に入り老眼の私は“おっ!!季節外れの花に蝶々が群がっているぞ”とつい言ってしまった・・・
しかしすぐ“父さん造花だよ”の声に・・・“離れて見ると判らんもんだね~”
おまけに造花に蝶々がたくさん群がっているのを見て・・蜜も無いのになぜ寄って来るのか不思議であった・・・
そこでふと“蝶々なる物はきっと匂いではなくて色で寄ってくるのだろう”と言った。しかし・・・・問題はすぐに解決したのだ。
係りのおじさんが造花に何かをスプレーしていたのだ・・・大きい声で言わなくてよかった・・・“ホッ!! ”
そしてしばらく回るうちに・・黄金色の楕円形をした大きい何かを見つけた・・・
なんと“オオゴマダラと言う蝶々のさなぎ”であった・・実に綺麗だ・・・とりわけ老眼の目には何かの金属か宝石のように映ったのだ・・・
そこでふと私は結婚して以来・・家内に何か買ってあげた事が無いことに気がついた。
これはきっとニスで固めてリングをつければ・・・“絶対にばれない”・・・“きっといい指輪になるのに~”
後ろ髪を惹かれる思いで蝶々園を後にしたのだった。