
仕事も終わり治療室を出た所へ・・・突然車が・・・・見るとNさんだ
「終わりましたか・・・遅いですか」
「どうされました?」
「喘息発作で・・・・」
「大分大変ですか」
「遅いですし・・・まだ軽いですから・・明日にします」
遅い仕事は嬉しくないが・・・見てあげれば良かったと後悔することは多い
2日後・・顔色も悪く・声もかすれ・・・絞るように話しながら
「あのアト直ぐに発作がおきて・・・救急へ行って点滴を2日受け・・・薬もイッパイもらいましたが・全く寝れません」
ヒュウヒュウと苦しそうに咳き込み・・・途切れ途切れに
「もう駄目ですか・・治るのに当分掛かりますかね」
「直ぐに楽になりますから大丈夫ですよ」
喘息に針治療は大変よく効く・・・あまり知られていないが
うつ伏せになれず・・先ずは座りながら少し治療をし・・・うつ伏せになれる位になって・本当の治療開始

「貴方はここが悪い。先ずはこちらへ鍼を・・・・少し響きますよ」
「楽になってくるようです」
いろいろ治療をしながら・・驚いている息子に
「発作の起きている時は起座呼吸しか出来ない・・普通は座って手と足に鍼をして・・順番まで待ってもらう・・・それで治ることもある」
「今は?」
「強い発作時には取りあえず楽になる様に治療してそれから次へ・・・急がないと喘息は呼吸器科へ送っても手遅れになる事がある」
「そんなに大変な事に」
「喘息で命を落とす患者は多い。自信が無ければ直ぐ呼吸器科へ送る」
「判断は?」
「数をこなし、これ位は自身をもって治せる様になる」
心配そうな患者さんを目の前に話すことではないが・・・
「ア~・・・楽になりました・・・・・来て良かったです」