「手が痛くて握れん」
「腫れて大変そうですが・・いつからですか?」
「庭木を縛ってあった針金を・・何本も何本も伸ばして束ねまして・・それから」
「いつも随分無理をしますね」
「自分でお灸をして・・治ると思ったんですが・・・段々と・・」
「大分ひどくしましたね」
「これではハシも持てないでしょう」
「ははは・・・・」
笑ってはいるが痛そうだ
「症状がひどいので少し強い治療をします」
「何ですか?」
「烙鉄といって火で針を焼いて少し刺します」
「何ですか?初めてですね・・」
「殆んどの治療院でやってないので・・・」
「何故です?」
「正式な治療法が書物に無く・・稀に伝承されても・・間違うと危険なので」
「危ない?」
「知識も無く変な事をした場合です」
「あ~安心した」
「ちょっと痛いですよ」
「・・・・・・・」
「お・・動く・・痛かったけど」
「もう少しかかりますが大丈夫です 」
ちょっと痛かったのだろう・・・ひどい症状では仕方の無いときもある