36年ほど前、故湯川秀樹博士が、富山にいらした時、突然口調を荒げて、確か(私は死後の世界を信じない。もし信じる人が居れば、直ちに此処から出て行け。)と、きつい言葉だった。
私は、折角受業をサボって、偉い先生の話を聞きに来たのに、何を突然大人気ない事を、言い出すのか? 不思議であった。中には(やはり偉い先生は自分の確かな信念を持っている。大したものだ。」との言葉も聞こえたが、
私には、伝統の仏教王国、富山に入って、自分の強い口調に怖じ気図付かずに、真実があるなら、教えてほしい。と訴えていらしたように、思えてならない。しかし誰も席は立たなかった。

知るを知るとし、知らざるを知らざるとする。我々の解らない事は、きっと色々ある。知らないことを、謙虚に聞ける自分になりたい。朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり。