
10年前の真夜中2時位だったろうか? 4歳の娘が、鼻を押さえて泣いている。気丈な子で、チョットの事では、泣かないのだが・・・・違った・・涙ではなく・・血だった。
「どうした?」
「父さん、目から血が、出てきた~。」
見ると本当に、目から“真っ赤な血”がポタポタと、流れ出ている。
「どうしてなった?ぶつけたのか?」
違うらしい・・・
「鼻血が出て、抑えたら、目から血が出てきた。」
小さな子供は、よく鼻血を出す。うちの娘も4~5歳の頃は、多分に漏れず、よく鼻血を出した。

「よし、直ぐ治してやるぞ。下を向いて。」
普通は(簡単な治療)で、直ぐ治るのだが・・・・・止まらない・・・?
「じゃ、横になって、ちょっと我慢しなさい。」
確かに鼻血は、普段良く診るだが・・・目を真っ赤にして、ボタボタ血が流れ出ているのは、初めてだ。
「我慢できるか?」
「・・・・」
じっと、堪えている。左右7~8本、ハリをする。首が緩んできた。・・・・
「これで良くなるから、もう少し座っていてね。」
座らせる。・・・・寝ると、出血が多い時は、咽を塞いでしまう。目からは、すでに出ていない。
「もう大丈夫か?手を離してみて。」
恐る恐る鼻から手を離してみる・・・・出てこない。娘も私もホッとした時・・・残っていた血の塊が、大量に“どろり”と出て来た。・・・・・びっくりするが・・・
「大丈夫。鼻に残っていた分だから、もう治っているよ。拭いてあげるから寝なさい。」
「うん。」
安心して横になる。・・・やっぱり気丈な子だ。お兄ちゃん達では、こうは行かないかも?
「おい。母さん“美佐が“鼻血を出したから、拭いてやってくれ。」
“爆・寝・中の妻”は、この大騒ぎの中でも、全く気もついていなかった。
「眠い。明日、明日、・・・むにゃ~・・・・・。」
「美佐が、すごい鼻血だから、何とかしてよ。起きて!!」

チョッと脅かす。・・寝たら、まず起きないのだ。そのくせ、目覚ましのベルが鳴ると、サッと起きて、かって見ないスピードで・・・何か・・やる?「目覚ましを、サッと止め・・寝る。」・・・だが・・当人“朝”には、全く覚えていない。
夜遅くまで作業をしている時等、寝れない私は・・時々からかう。(7時だ、起きて!!)とか言ってみる。・・何故か・・時計をくるくる回している・・? “7時”を認識したいのか・・・? 寝ぼけて、何をやっているのか・・分っていない。先日は、懐中電灯を目覚ましと思い、カチカチやっていた。・・・
「何だ・何だ・この血は、どうした?」
でも、今日は偉い? これだけの騒ぎで、やっと起きたけれど・・・大したものだ・・・・?

「さっきから起こしてるのに、何を言っとる。何とかしてくれ。」
ようやく? 状況が・・わか・り?・・・行・動・へ・と・・・・