
昨年は随分多くの手首、肘などが腫れる、動かない等の症状を診た。
多分に漏れず働き者が多い・・・・手の使い過ぎ・・・?
しかしそのほとんどが手には原因がなく、首や肩の症状がひどくなって発病したと思われる。
当然手を直接治療してもあまり変化は無く。治療は・・・長引くものが多い。
自分が無茶をしていることを忘れ、どこで治療しても治らぬ病気と思い込んでいる人が多い。
ほぼ2年近く前の患者さんのことですが・・
「先生、私は近所の人に頼まれて仕事に出ました。大変つらい仕事で、4ヶ月位すると指が腫れて動かなくなってきました。」
「ホウ―、随分腫れましたね。」
「だいぶ注射をしましたが全く変わりません。」
「指にでしょう。」
「そりゃそうですよ!! 指が痛いんだから・・・仕事は、とても出来ません。」
「Nさんこれは肩からの症状だから指に注射をしても治りません。」
「じゃ・・・?・・?」
「原因は肩と全身の疲労です。ほらここを押すと指が楽になりませんか?」
「ハイ・・そうです・・?」
「他にも楽になるところを探して本当の原因を治しましょう。」
「はい。」
大体の治療は終わり・・・・
「どうですか?」
「あ!! だいぶ動く・・・何で?」
「体は続いています・・・・当然肩こりの治療では、肩だけを治療しても、あまり変わらないものです。」
「へーそうですか・・・知りませんでした。」
「根気が要りますが・・やってみる気は有りますか?」
「勿論です。」
でも少し良くなるとすぐ仕事に行く・・・また再発・・・
「Nさん安静には出来ないのですか?」
「他の人も仕事がきつくて・・・出て来いと言われて・・・」
「孫にもなにか買ってやりたいし・・・」
「Nさん自分の体ですよ!! ささやかなお金で体を壊してまで、お金を残しますか?」
「本当です、私は仕事をやめます。」
同僚の妨害も有ったが、仕事をやめ治療に専念しついに完治。
「ありがとう御座いました。おかげで・・・・」
「Nさん、最初に言いましたがこれは、全身の疲労です。放って置けばまた何か発病しますよ。」
「分かってます、すぐ来ますから。」
「?・・・?・」
あれから1年と半年は過ぎたと思うが ・・・Nさんは見てない。